なぜアメリカでは政治的に異なる友人関係が珍しいのか?意外な調査結果とは
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- アメリカでは政治的意見が異なる友人関係は非常に珍しい
- 実際に調査で判明した具体的なデータを紹介
- 政治的な意見の違いが友情に与える影響
- 日本との文化的な違いや、今後私たちが考えるべきことにも言及
- 元記事「Cross-party friendships are shockingly rare in the United States, study suggests」(こちら) を参考に執筆
調査の背景と目的
今回ご紹介する元記事「Cross-party friendships are shockingly rare in the United States, study suggests」では、アメリカでの政治的意見が異なる友人同士の関係性について調べています。「意見が違っても友達でいられるよね?」と考えがちな私たちですが、アメリカでは実際どうなのかを科学的に分析しています。
研究はWellesley CollegeのAngela J. Bahns准教授によって行われ、2025年7月5日にSocial Psychological and Personality Science誌に掲載されました。Bahns教授は2つの異なる調査を実施し、共和党(日本で言えば自民党のような保守寄り政党)と民主党(よりリベラル寄り)の支持者に注目し、「政党が違う友人」がどれだけいるのかを詳細に分析しています。
具体的な調査結果の詳細
Bahns教授は2つの研究を実施しました。第1の研究では、ニューヨーク市、ボストン、および北東部の複数の大学で537組の友人ペアを対象に調査を行いました。第2の研究では、オンラインプラットフォームを通じて434組の成人友人ペアを対象としました。
つまり、アメリカでは90%以上の友人関係が政治的に似た者同士で構成されているということです。これにはとてもびっくりしました。Bahns教授も「誰もが我が国が政治的に高度に分極化していることを知っているが、これらの研究で真の超党派の友情がいかに稀であるかに驚いた」とコメントしています。
さらに興味深いのは、特定の政治問題(移民、気候変動、銃規制、中絶など)についても、友人間の意見の違いは通常わずかだったということです。全体の4分の1のペアのみが、7段階評価で平均1.5ポイント以上の差を示しました。
政治的意見の違いが友情へ与える影響
では、なぜここまで意見が違う人と友達になるのが難しいのでしょうか?
興味深いことに、この研究では政治的な相違が友情に与える複雑な影響を発見しました。
政治的に異なる意見を持つ友人がいる人は、自分とは反対の政治的立場の人たち全般に対して、より好意的な態度を示していました。一方で、政治的な相違は友情の質をわずかに低下させる傾向も見られました。
つまり、「共和党支持の友人がいる民主党支持者は、共和党支持者全体に対してより寛容になる」ということです。これは興味深い発見です。政治的に違う友人がいることで、「あの政党の人たちは皆悪い人だ」という偏見が和らぐ効果があるのです。しかし同時に、意見の違いによって友人関係そのものには少し気まずさが生じる、という複雑な結果でした。
日本社会との比較と私の感想
日本でもSNS上では意見がぶつかりあうことはありますが、リアルな友人関係で「政治で決定的な亀裂が生じる」という話はそこまで多くはありませんよね。それだけに、アメリカでは超党派の友情が3-8%しかないということに驚きを隠せませんでした。
興味深いことに、この研究では「政治的不合意への快適さ」という個人特性も測定されており、政治的違いについて話し合うことにオープンな人ほど、友人関係をより好意的に評価する傾向があることも分かりました。
「自分と意見が異なる人」と上手につきあう練習は、これからの多様性ある社会にますます必要になってきそうです。
まとめと今後へのヒント
- アメリカでは民主党・共和党間の友人関係は3-8%しか存在しない
- 約90%以上の友人関係が政治的に似た者同士で構成
- 政治的思想の異なる友人を持つ人は、相手グループへの偏見は減少させるが、政治的相違は友情の質をわずかに低下
- 日本とは友情観や「意見の伝え方」に文化的な違いが大きい
- 約2,000人を対象とした科学的調査によるデータから
今回紹介した「Cross-party friendships are shockingly rare in the United States, study suggests」の記事では、数字を用いて「アメリカの分断」の現実を示していました。
私たち日本人にとっても、「自分と違う考え方の人」とどう友人でいられるかは大切なテーマでしょう。Bahns教授は今後、政治的に多様な友情を促進する介入方法の研究も計画しているとのこと。これからの社会、多様性を認めるためにどう向き合うか、一度身近な友人関係から考えてみるのもいいかもしれません。



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