JPモルガン、「Plaidなどのフィンテック業者が不必要にシステム負荷を増大」と指摘

JPMorganが警告!フィンテック中間業者のシステム負荷問題 テクノロジートレンド
JPMorganがPlaidなどのフィンテック中間業者による過剰なデータリクエストでシステム負荷増大を指摘。金融業界のデータ連携課題と今後の動向を解説。

JPモルガン、「Plaidなどのフィンテック業者が不必要にシステム負荷を増大」と指摘

  • JPモルガンはFintech(フィンテック)仲介業者による過剰なデータリクエストがシステムに負荷をかけていると警鐘
  • 2025年6月だけで18.9億件のデータリクエストがあったが、顧客が実際の取引で開始したのは13%のみ
  • Plaidが最大の利用者で、同社のAPIコールのうち顧客が開始したのは6%にとどまる
  • 元記事「JPMorgan says fintech middlemen like Plaid are ‘massively taxing’ its systems with unnecessary pings」(https://www.cnbc.com/2025/07/28/jpmorgan-fintech-middlemen-plaid-data-requests-taxing-systems.html)をもとに解説
  • CFPB(消費者金融保護局)のオープンバンキング規則の行方も論争の背景にある

JPモルガンが感じたシステム負荷の実態

JPモルガンは大手金融機関として、数千万の顧客の口座情報を管理しています。その中でフィンテック企業が提供するサービスは非常に便利で、たとえばPlaidのように銀行の口座情報を安全に収集し、家計簿アプリや資産管理アプリへ情報を提供する仲介役です。ですが、今回JPモルガンが問題視したのは、「フィンテック企業からのデータアクセスがあまりに頻繁すぎる」ことでした。

実際にJPモルガンの社内メモによると、2025年6月だけで18.9億件ものデータリクエストを受けており、その大部分は顧客が直接開始したものではありませんでした。驚くことに、実際に顧客が取引のために開始したリクエストは全体のわずか13%だったそうです。残りの87%は、フィンテック企業の製品改善、詐欺防止、さらにはデータの収集・販売といった目的だったとされています。

特にPlaidからは月間10.8億件ものAPIリクエストがあり、そのうち顧客が直接開始したのは6%のみ。こうした大量のアクセスは、銀行のサーバーに大きな負担をかけるだけでなく、ほかの顧客サービスの遅延やシステムの過負荷につながりかねません。JPモルガンはこうした状況を「massively taxing(大幅に負荷をかけている)」と表現し、その改善を求めています。

なぜこれほど頻繁にアクセスがあるのか?-両者の言い分

そもそも、Plaidのようなフィンテック企業はユーザーの金融情報をリアルタイムで取得し、最新の残高や取引情報を提供することが価値の源泉です。そのため、頻繁な更新確認はサービス品質向上のため不可欠とも言えます。

これに対してPlaidは、JPモルガンの6%という数字は「データアクセスの仕組みを誤解している」と反論しています。同社によれば、すべての活動は顧客がアカウント開設時に許可を与えた時に始まっており、ユーザーが直接操作していない時でもAPIを呼び出すのは「業界標準の慣行」だと説明しています。当座貸越手数料の警告や疑わしい活動の通知など、重要なアラートを提供するためには必要だというのがPlaidの主張です。

ただし、多くの顧客は長い利用規約を詳しく読まずにアカウントを開設するのも事実。この辺りの認識のギャップも、今回の問題の一因かもしれませんね。

CFPB規則の影響とフィンテック仲介業者との適切なバランス

実は、この問題の背景には規制をめぐる大きな変化があります。バイデン政権下のCFPB(消費者金融保護局)は「オープンバンキング規則」を制定し、銀行は認可された第三者に顧客データを無料で提供することを義務付けていました。

しかし、この規則の廃止を求める銀行業界の訴訟にCFPBが支持を表明したことで状況が変化。JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは銀行業界に対し、不公平な規制に「反撃する」よう呼びかけました。こうした流れの中で、JPモルガンは10月にも新たな手数料制度を導入する可能性があり、Plaidだけで年間3億ドルの手数料を支払うことになるかもしれません。

ここで少し専門用語の説明をしますね。電子ACH取引とは、Automated Clearing House(自動清算機関)を通じた電子資金移動のことです。日本の全銀システムのような役割で、給与振込や口座振替、オンライン決済などで広く使われています。フィンテックアプリからの送金や支払いの多くがこのACH取引を利用しています。 問題なのは、JPモルガンによれば、データ仲介業者(Plaidなどのフィンテックサービス)が関与したACH取引では、詐欺関連の請求(fraud claims)が69%も高くなっていることです。同行は約5,000万ドルもの詐欺関連請求を受けており、この金額は5年以内に3倍になると予想されているそうです。ただし、この「詐欺関連請求」の詳細な内訳については、記事では明らかにされていません。

フィンテック業界からは「反競争的な行為」という批判の声も上がっていますが、JPモルガン側は交渉を通じて適切な解決策を見つけようとしているようです。私も、この複雑な状況には驚かされました。

今回紹介する記事「JPMorgan says fintech middlemen like Plaid are ‘massively taxing’ its systems with unnecessary pings」によると、JPモルガンは月間18.9億件ものデータリクエストを受けており、そのうち顧客が実際の取引で開始したのはわずか13%でした。便利さの裏に潜む複雑な問題と、規制をめぐる駆け引きに注目です。

まとめ:銀行とフィンテックの共存に向けて考えたいこと

銀行にとっては、大量のAPIアクセスがシステム資源を消費し過ぎて、安定運用に支障をきたすリスクがあります。一方で、フィンテック企業は消費者により良いサービスを提供しようとするあまり、結果的に過度なアクセスに陥っているというジレンマです。さらに、規制の変化や詐欺対策といった複雑な要因も絡んでいます。

この問題は日本でも全く他人事ではありません。私たちの日常で使う金融アプリも、裏側ではこうした複雑な仕組みで成り立っていることがよく分かります。

両者が交渉を続けている中で、システムの安定性を保ちつつ、ユーザーが便利さを享受できる適切なバランスが見つかることを期待したいですね。このような業界の変化について、みなさんはどう思いますか?

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