英国オンライン安全法に35万人が廃止請願も政府拒否|2025年最新動向

英国政府がオンライン安全法を廃止せず明言 テクノロジートレンド
英国政府が350,000件の国民請願にもかかわらず、オンライン安全法の廃止を否定。言論の自由とネット規制の難しさを解説します。

英国政府、オンライン安全法の廃止要求を拒否

今回紹介する『UK government responds after 350,000 demand Online Safety Act is repealed』という記事では、2025年7月25日に施行されたばかりの「オンライン安全法(Online Safety Act)」に対し、35万人以上の市民が廃止を求める請願を提出したものの、英国政府がこれを拒否したという最新の動きについて報じられています。

この記事のポイント

  • 2025年7月25日にオンライン安全法が施行
  • 施行からわずか3日で350,000件超の廃止請願が提出
  • 政府は廃止要求を明確に拒否し、法律の継続実施を表明
  • Reform UK党が「ディストピア的」として強く反対
  • Starmer首相がトランプ大統領との会談で法律を擁護
  • 年齢確認システムとアルゴリズム規制が主な内容

オンライン安全法の具体的内容

2025年7月25日に施行されたオンライン安全法は、子供や10代の若者を有害なオンラインコンテンツから保護することを目的としています。法律の主な内容は以下の通りです。

年齢確認システムの義務化:ポルノグラフィーや有害コンテンツを掲載するサイトに対し、顔年齢推定技術またはクレジットカードによる年齢確認の導入を求めています。これにより、未成年者のアクセスを制限しようとするものです。

アルゴリズム規制:自殺関連、自傷行為、摂食障害などの有害コンテンツを子供に推奨しないよう、プラットフォームのアルゴリズムを規制しています。これはコンテンツそのものだけでなく、その配信方法まで規制する包括的なアプローチです。

法律の執行は英国通信庁(Ofcom)が担当し、違反企業への処罰権限も持っています。日本でも似たような議論がありますが、ここまで包括的な法律は珍しいかもしれませんね。

市民の請願と政府の対応

法律施行からわずか3日後には、なんと35万人以上の市民が廃止を求める請願に署名しました。この数字には本当に驚かされます。請願では、この法律が「自由な社会において必要以上に広範囲で制限的」であり、「比例原則(目的が達成可能な最も規制が低い実現手段を使う原則)に基づいた立法」を求めています。

これに対し英国政府は、廃止の計画は一切ないと明言しました。政府の公式声明では「比例原則は法律の核心原則として既に組み込まれている」とし、Ofcomと協力して「迅速かつ効果的な実施」を継続すると表明しています。

また、政府は「Communications Act 2003により、Ofcomは必要な場合のみ比例的に行動する義務がある」として、過度な規制にはならないと主張しています。とはいえ、これほど多くの市民が懸念を示している状況は看過できないでしょう。

政治的対立の構図

この法律をめぐって、政党間の対立も鮮明になっています。Reform UK党は法律を「ディストピア的」と厳しく批判し、政権獲得時には「最初に廃止する政策の一つ」と公約しています。

同党のZia Yusuf前党首は記者会見で、この法律について「子供を保護することは全くない」「言論の自由を抑圧する」「ソーシャルメディア企業に反政府的発言の検閲を強制する」と痛烈に批判しました。これはかなり強い政治的対立ですよね。

一方、Keir Starmer首相はトランプ大統領との会談という国際的な場で、この批判に反論しています。首相は「誰も検閲していない」「これは言論の自由の問題ではなく、子供保護の問題だ」と明言し、特に「自殺サイトから10代の若者を保護する」ことの重要性を強調しました。

この発言からは、政府がいかにこの法律の正当性を主張しているかがよく分かります。

今後の展望

35万件を超える請願は、英国の制度では議会での討論対象となります(10万件を超えると討論が義務となる)。今後、議会でどのような議論が展開されるかが注目されますね。

この問題は単なる技術的な規制の話ではなく、「子供の安全」と「言論の自由」という根本的な価値観の対立を表しています。日本でも同様の課題に直面する可能性があるため、英国の動向は重要な参考になるでしょう。

政府は現在のところ強硬な姿勢を崩していませんが、これほど多くの市民が懸念を示している以上、何らかの対話や調整が必要になるかもしれません。今後の展開が気になるところです。

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