ビーツジュースが高齢者の血圧を下げる!最新研究が明かす驚きのメカニズム
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この記事のポイント
- 高齢者の血圧を下げる新しい可能性として、ビーツジュースの効果が研究で示された
- その理由は「口腔内細菌」の変化に関連がある可能性が示唆された
- 硝酸塩を多く含む食品が炎症を抑制する可能性も示唆
- 元記事『Beetroot juice lowers blood pressure in older people by changing oral microbiome. New study shows that nitrate-rich foods alter the oral microbiome in a way that could result in less inflammation, as well as a lowering of blood pressure in older people.』(公式記事リンク)
目次
研究の背景と目的
みなさん、「ビーツ」という野菜をご存知でしょうか。真っ赤な色が特徴で、海外では大昔から普通に食べられていてよくサラダやジュースに使われているのですが、日本だとまだちょっと珍しい存在ですよね。さて、今回私が興味深いと感じたニュースがありましたのでご紹介します。
高齢者がビーツジュースを飲むことで、血圧が下がる可能性があり、その背景には口の中の細菌バランスの変化が関わっている可能性があることが新たな研究で示されました。ただし、これはまだ研究段階の知見であることにご注意ください。
今回紹介する 『Beetroot juice lowers blood pressure in older people by changing oral microbiome』 という記事で、詳しく紹介されています。
実際に行われた実験とは?
この研究は、イギリスのエクセター大学のチームによって行われました。研究対象となったのは、30歳未満の39名と60-70代の36名。つまり、若年者と高齢者を比較する研究だったのです。
実験方法は非常に厳密で、参加者全員が合計6週間の実験に参加しました。具体的には、各参加者が以下の3つの期間を経験するクロスオーバー試験という手法が用いられました: 第1期間(2週間):濃縮ビーツジュースまたはプラセボジュースを1日2回摂取
ウォッシュアウト期間(2週間):何も摂取せず、体の状態をリセット
第2期間(2週間):最初とは逆の条件(ビーツジュースとプラセボを入れ替え)を1日2回摂取 この方法により、各参加者が自分自身の対照群となるため、個人差の影響を排除した、より信頼性の高いデータが得られるのです。
ウォッシュアウト期間(2週間):何も摂取せず、体の状態をリセット
第2期間(2週間):最初とは逆の条件(ビーツジュースとプラセボを入れ替え)を1日2回摂取 この方法により、各参加者が自分自身の対照群となるため、個人差の影響を排除した、より信頼性の高いデータが得られるのです。
このようなプラセボ対照試験の手法により、ビーツジュースの効果が心理的なものではなく、実際の生理学的変化によるものかを科学的に検証したのです。
実験期間の前後で、参加者の血圧や口腔内細菌などが詳しく調べられました。こういう厳密な研究デザインがあるからこそ、信頼性の高い結果が得られるんですね。
研究で分かったこと
興味深いことに、高齢者グループでのみ血圧の低下が確認されました。若年者では同様の効果は見られなかったそうです。これは、加齢とともに体内で作られる一酸化窒素が減少することと関係があるかもしれません。
さらに注目すべきは、口腔内の「マイクロバイオーム(細菌の集まり)」が変化したこと!高齢者では、有害とされるPrevotella細菌が減少し、健康に良いとされるNeisseria細菌が増加したと報告されています。口内細菌の構成が改善された可能性が示唆されました。
研究者らは、この結果が炎症の軽減や血管の健康改善につながる可能性があるとしていますが、より大規模な研究による検証が必要だと慎重に述べています。
「口腔内マイクロバイオーム」とは?
今回の研究キーワードでもある「マイクロバイオーム」。これは聞きなれない言葉ですが、日本語で言うと「体の中や表面にいる微生物の集まり」のこと。特に歯や舌の表面、唾液の中にはたくさんの善玉菌・悪玉菌がいて、それらのバランスが健康と深い関係にあるのです。
今回の実験では、ビーツジュースに含まれる「硝酸塩」の作用で、このバランスが変化した可能性が示されました。体内の炎症抑制や血管の健康につながるメカニズムについて、新たな理解が深まったと言えそうです。
研究を行ったAndy Jones教授は「この研究は、硝酸塩豊富な食品が口腔内マイクロバイオームを変化させ、高齢者の炎症軽減と血圧低下をもたらす可能性があることを示している。これは、生活習慣要因や生物学的性別が食事性硝酸塩補給への反応にどう影響するかを探る、より大規模な研究への道筋を開くものだ」と述べています。
日本人にとっての意味
日本でも高齢者の血圧管理はとても重要なテーマですよね。ただ、日本の場合ビーツを日常的に食べたり飲んだりする文化はほとんどありません。
研究を行ったAnni Vanhatalo教授は「ビーツが苦手でも、ほうれん草、ルッコラ、フェンネル、セロリ、ケールなど、硝酸塩が豊富な代替野菜がたくさんある」と述べています。日本でも入手しやすいほうれん草などは、同様の効果が期待できるかもしれませんね。
ただし、この研究はまだ36名という比較的小規模なものです。今後、より大規模な研究や日本人を対象とした研究が行われることで、私たちの食生活への具体的な応用が見えてくるかもしれません。
まとめ
今回の研究が示したのは、「硝酸塩豊富な野菜を食べること」が私たちの健康に興味深い影響を及ぼす可能性があるということです。特に高齢者の健康管理において、食事による自然なアプローチが注目される中、このような研究は非常に価値があると感じます。
ただし、この研究はまだ初期段階のものであり、実際の健康管理や治療に応用するには、さらなる研究と医師との相談が必要であることも忘れてはいけません。「口の中の細菌を変えるだけで体への影響がある」という可能性は興味深いですが、科学的な慎重さも大切ですね。
もしご家族や周りに血圧が気になる方がいれば、ぜひこの話題をシェアしてみてはいかがでしょうか?ただし、医学的な判断については必ず医師にご相談ください。日々の食事について考える一つのきっかけとして参考にしていただければと思います。
詳しい内容やデータが気になる方は、ぜひ元記事『Beetroot juice lowers blood pressure in older people by changing oral microbiome』もご覧ください。



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